【安田記念】優勝:ストロングリターン

2012(平成24)年6月3日東京、G1・芝1600m、フルゲート18頭、曇・良

順位 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 着差 上り 馬体重
1着 (4) ストロングリターン 牡6 58.0 福 永 1:31.3 33.8 516( -2)
2着 (3) グランプリボス 牡4 58.0 内田博 ク ビ 33.9 496( 0)
3着 (8) コスモセンサー 牡5 58.0 松 岡 34.8 510( 0)
4着 (1) ダノンヨーヨー 牡6 58.0 北村友 1/2 33.9 518( +2)
5着 (2) ガルボ 牡5 58.0 石橋脩 ク ビ 34.6 472( -2)
  • 今週も高速馬場。雨予報が出ていたが、結局良馬場のままでレースに至った。その結果、レコード決着。レースの明暗をわけるのは、逃げるシルポートのペースだったのだが、これが極端なものとなった。好スタートのコスモセンサーを押しのけて主導権を握ったシルポート、600m通過が33秒8、そして半マイル通過は一昨年同じ44秒9というハイペースを刻む。一昨年は、最後はショウワモダンらの差し馬が逆転をする展開となった。今回も当然、これだけのペースであれば後方有利と思われたが、結果的には極端に後ろの馬は届かず、逆に前残りをする馬もいたほど。差し馬も外を回しては届かず。ハイペースとはいえ、前が止まらない東京コースという点で単純に差し有利とはならず。終始11秒台で推移して、直線、坂をむかえてもラップは落ちず、通常12秒台となるラスト1ハロンも11秒台でまとめられた。この流れで、前に行って消耗しすぎず、そして後ろに控えすぎて届かずということなく中団で立ち回った馬たちが上位に。1着、2着となったのは、道中馬群の中、中団で並んで走っていた2頭だった。
  • さて、単勝オッズにも表れているように大混戦となった1戦。1番人気に推し出されることとなったサダムパテックは、中団で折り合って追走。2番人気のストロングリターンもその後ろの中団位置。この流れでいい位置を取れたといえる。3番人気のグロリアスデイズはその後ろ、後方からの競馬。脚をためて差す作戦。さらに4番人気アパパネも中団、5番人気のガルボも一旦先団からこのペースを嫌ってか位置取りを下げてこのグループに加わった。この点で、有力馬たちの位置取りはこの流れに即したものと言えるだろう。だが、着順は明暗を分け馬券圏内に入線したのはストロングリターンただ1頭だけとなった。
  • この理由は様々だろう。まず、サダムパテックは絶好の位置で直線迎えたが全く伸びなかった。前走である程度の時計対応もできていただけに原因は不明確ではあるが、前走はウィリアムズ騎手が一旦下げて「タメ」をつくることに成功していたが、今回は一貫していいペースに中団ではあったが付き合わされた。この馬の武器の末脚を繰り出すには、ある程度ペースに緩急がなくてはならない。ラップに今回は恵まれなかった結果だろう。その意味では、ここでも何度か述べているが本質的には中距離の馬だと思う。グロリアスデイズ、アパパネは4コーナーで外に出しすぎた。確かに外が延びる馬場ではあったが、速い決着のレースでは、このコース取りが致命的。ただ、それと同時に両者ともにコンディションの問題もあったのではないか。前者は追い切りを急遽一日早めた上、馬なり調整。後者は前走がピークだった印象。前者はさらに日本の高速ペースで脚の使いどころがなかったということもあろう。ガルボは、本来もう少し前で進めたいところだっただろうが、石橋騎手が冷静に下げた。この点は間違いではないが、この流れで中団から決めるタイプではない。とはいえ、前にいても最後まで持ったかどうか…。責められない。とにかく乗り難しいペースだった。
  • さて、ストロングリターン。中団で控えて直線は馬場の中ほどを突き抜けた。昨年と同じ33秒8の上がり。自在性がありどういう競馬もできる強みがある上、叩かれて確実にここ目標の仕上がり。昨年の京王杯スプリングカップ(G2)見せたように、こういう流れでも差せる脚があるのが長所。降ろされてしまったが石橋騎手が試した中団からの競馬の成果が大輪を咲かせた。不倒と思われたダノンシャンティのJRAレコードを更新する1分31秒3。器用なタイプという印象はないが、高速馬場での差し脚を生かせる、今の東京はベストの条件だったのだろう。融通が利くタイプで、秋はやはりワンペースとなりがちな天皇賞・秋(G1)などは面白いかもしれない。しかし、福永騎手はこのあとのユニコーンS含めて土日で重賞3勝。過度に消極的にならず、こういう気楽に乗れるレースでは本当にソツがない。
  • 研究員アサノ プロフィール
    レース回顧やコラムが中心の競馬メルマガ「2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン」主筆。早稲田大学にて助手を務めた後、現在は某研究機関にて地域政策研究に従事。趣味は全国の競馬場巡りで、これまでに中央地方合わせて20以上の競馬場を踏破している。
  • 2回中山3日目やや重−中央地方競馬マガジン
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